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全オトナ男子は結局「パラブーツ(Paraboot)」の革靴に辿り着く説

全オトナ男子は結局「パラブーツ(Paraboot)」の革靴に辿り着く説

イギリス、イタリア、スペイン、アメリカと、各国に存在するシューメーカー。それぞれのお国柄がデザインや製法に反映され得意なスタイルが存在するが、「パラブーツ」は“メイド イン フランス”を一貫しながらも、アメリカで労働者たちが履いていたラバーソールのワークシューズをアイデアソースにするなど、その立ち位置が実に面白い。

万能なデザインでタフな作りなのに履き馴染みが良く、そして名門ブランドの中では良心的な価格設定といったストロングポイントも相まって、現代では一通り革靴を履いてきたオトナ男子が辿り着くブランドとしても認知されつつある。いま革靴選びで悩んだら、とりあえずパラブーツをチェックすれば間違いなし!?

そもそも「パラブーツ」とは?まずはその歴史を知っておこう

創業は1908年のフランス東部イゾーにて。美しい山岳と自然にあふれた多くのアルピニストから愛されている同地で、創業者レミー・リシャールポンヴェール氏が工房を開いたのがはじまりだ。当初はワークシューズをはじめ、アルピニストに向けた登山靴を主に製作。「パラブーツ」が堅牢なノルヴェイジャン製法を得意とし採用するのは、そんな背景があるのだ。

1927年には、ブラジルのパラ港から天然ラテックスを輸入。それにより良質なラバーソールを履かせたシューズの生産を開始する。その港の名前こそがブランド名の由来であり、同年に「パラブーツ」の商標が登録されている。

パラブーツの魅力1作りはタフだけど、履き心地はソフトなノルヴェイジャン製法

前述のノルヴェイジャン製法を採用した登山靴然り、「パラブーツ」の靴は実に堅牢で、それゆえ長く履き続けられるのが魅力だ。北極探検家ポール・エミール・ヴィクトール氏をはじめ、現在でも多くの登山家や山岳ガイドから信頼を寄せられているのがその証。登山靴以外にも、労働者向けの編み上げブーツ「ガリビエ」や測量士向けの「モジーン」など、様々なワークシューズを開発。ヨーロッパでいち早く導入したラバーソールも、まさに実用主義の現れと言える。

ちなみにラバーソールは、数ある世界中のシューメーカーの中で、唯一自前で生産。独自の製法により18種類のラバーソールを生産し、モデルによって使い分けているのだ。

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タフな見た目とは裏腹な馴染みの良い履き心地

ノルヴェイジャン製法ならではのコバが張り出したL型ウェルトと太いステッチを見れば、誰もが堅い履き心地を想像するだろう。だが、意外にも「パラブーツ」の靴は革靴にありがちな堅さをさほど感じない。理由として、まずはアッパーのレザーの油分量が多いこと。多くのモデルではオーガニックなリスレザー(カーフ)を採用しているが、同レザーは高い耐水性や耐久性を求めるため多量の油分を含んでおり、それがレザーにしなやかさを与えている。

次にラバーソール。代表的なソールであるマルシェII、グリフII、パラテックスを筆頭に、「パラブーツ」のラバーソールは、ゴムの中に沢山の空気を蓄えている。それにより衝撃吸収性や屈曲性に優れているのだ。「良質な革靴は慣れるまで修行」という定説があるが、パラブーツならいち早く足に馴染んでくれるはず。

パラブーツの魅力2今や希少なメイド・イン・フランス

「パラブーツ」の靴は、創業以来すべてフランス国内で生産されて続けている。それこそラバーソールの生産から縫製まで、一貫してフランス国内で行なっているのだ。創業地であるイゾーには、2016年までファクトリーが存在。2017年には同地とフェールにあったファクトリーは閉鎖され、フランス南東のグルノーブルにあるサン・ジャン・ド・モワランに集約された。同地に本社やショールーム、アーカイブルームまでもすべて集約することで、業務を効率化。ハンドメイドとマシンメイドを組み合わせた150以上の製作工程を基本踏襲しつつもファクトリーは近代化され、さらに環境にもやさしい生産体制を整えた。

ちなみに、同地は創業地と同じく美しいアルプスの山々を望める街。そこにもメイド・イン・フランスのプライドがうかがえる。生産拠点をコストが安価な海外へ移すブランドが多い中、メイド・イン・フランスを貫く「パラブーツ」の1足は靴好きの物欲を大いに刺激してくれるし、所有する満足度も高い。

パラブーツの魅力3まさに万能!オンオフ兼用、多国籍なMIXスタイルに対応するモデルまで豊富に用意

1987年に誕生した名作「シャンボード」。Uチップのアッパーにパラテックスソールを履かせた同シューズは、ドレス靴のような端正さを備えながらも、ボリューム感のあるトゥとノルヴェイジャン製法による張り出したコバが、オックスフォードブーツのようなタフさも匂わせる。ウィンザー公から依頼され、アビエイターブーツに着想を得て1945年に誕生したダブルモンクの「ウィリアム」も、また同様。ノルヴェイジャン製法による堅牢さを備えながら、ドレッシーな佇まいを披露する。

そんなドレスとカジュアルを両立する靴が多くラインナップされる「パラブーツ」は、ゆえにオンオフ兼用シューズとして名高い。まさに一粒で二度美味しい靴。昨今ビジネスとカジュアルの堺が曖昧になったが、「パラブーツ」なら1足でこと足りるってわけだ。

フランスが手掛けるアメリカ靴!?パラブーツが万能と呼ばれる理由は靴のつくりを見ればわかる!

スーツにもデニムにも。その汎用性の高さは、さらにカジュアルにおいて顕著だ。創業者レミー・リシャールポンヴェール氏は、1927年から天然ラテックスの輸入を始めるが、そのきっかけとなったのは1926年の渡米。アメリカで労働者たちが履いていたラバーソールのワークシューズが、アイデアソースとなっている。

一般的にイギリスやイタリアといったヨーロッパのシューズは、靴を正面から見た時にサイドウォールが低く設定されがち。一方で、アメリカはサイドウォールが立ち、またトゥもボリュームのあるシルエットが多い。まさしく「パラブーツ」の「シャンボード」や「ミカエル」「ウィリアム」のように。それでいてデザインは実に伝統的でベーシック。そのバランスはアメカジからイタカジ、もちろんフレンチカジュアルなど、ファッションスタイルを選ぶことなくマッチしてくれる。様々なファッションスタイルを楽しみたい人にとっては、心強い存在となってくれるはずだ。

もう革靴は、これを揃えれば完璧!?「パラブーツ」の神7はコレだ!

人の好みは千差万別だが、現代を生きる全オトナ男子の革靴選びで必ず選択肢に入ると言っても過言ではない存在なのが「パラブーツ」だ。同ブランドの魅力を語る際によく言われるのが「ドレスシューズからトレッキングブーツまで、パラブーツなら全部揃う」

他にも「足に馴染むまで時間が掛かる名門ブランドの革靴とは別に、足馴染みが良くて気軽にヘビーユース出来る一足が欲しい」「アメカジ一筋でひたすら武骨なブーツを楽しんできたけど、そろそろ大人っぽくて上品な革靴も欲しい」「上品なスニーカー感覚でビジカジからオフスタイルまで幅広く使える革靴が欲しい」など。一通り革靴を履いてきたオトナ男子ならではのニーズに応える革靴が、パラブーツには展開されている。

ここからはパラブーツの神7というに相応しいモデルを一挙紹介。そのバリエーションに富んだラインナップを把握しておけば、靴選びは完結したも同然だ!

パラブーツの逸品1「シャンボード(CHAMBORD)」最強シューズの呼び声高い、ドレスもカジュアルもなんでもござれ!

パラブーツの魅力をまさに象徴するのが、名作「シャンボード」だ。1987年に誕生した同シューズは、Uチップを採用。アッパーはリスレザーで、ソールはパラテックスとなっている。

そもそもUチップはドレスシューズの中でも汎用性の高さで知られるが、シャンボードは堅牢なノルヴェイジャン製法やボリュームのあるトゥ、立ち上がったサイドウォール、厚みのあるラバーソールが、色落ちしたヴィンテージデニムや武骨なカーゴパンツとマッチ。一方で、全体的な印象はフレンチらしく端正さも備えることから、スラックスとのジャケパンスタイルにもマッチする。ただし、ボリュームがあるのでクラシカルなスーツには少々ミスマッチなのでご注意を。

「シャンボード」の詳細をみる

パラブーツの逸品2「ランス(REIMS)」ありそうで意外とない!? クセ強パンツにも負けない武骨ローファー

コインローファーの「ランス」。1986年に誕生したアメリカンタイプのローファーだが、ローファーとしてはボリュームがかなりあるのが特徴。サドル部分の強度を高めるために両サイドを極太のステッチで縫い上げているが、それがビーフロールを想起させ、アメリカンな雰囲気の理由になっている。

履き口が狭くなっているのも特徴で、それは厚みのあるソールゆえに一般的なローファーと比べて返りが堅めだが、甲をしっかりと覆うことですっぽ抜けにくくしているのだ。1995年に一度生産が中止になっているが、2009年に復活。今ではパラブーツの定番名作として不動の地位を確立している。

ローファーでありながら、厚みのあるソールはブーツのような武骨さも。ローファーのスマートさを楽しみつつ、ワイドパンツや厚手の生地にも顔負けしない着こなしもこなせる。

 

「ランス」の詳細をみる

パラブーツの逸品3「ミカエル(MICHAEL)」個性的にも上品にも履けるアーバン伝統シューズ

登山靴で多くの名声を獲得したパラブーツの歴史を物語るのが「ミカエル」。誕生は1945年で、創業者の孫であるミッシェル・リチャードの誕生を祝って作り出された。ミカエルとは、ミッシェルのラテン語読みである。

デザインは伝統的な山岳シューズであるチロリアンシューズに着想を得ており、シンプルな2アイレットが特徴。同モデル誕生以前にチロリアンシューズに着想を得た「モジーン」が販売されており、「ミカエル」はその後継となる。

シンプルでありながらもノルウェイジャン製法や厚みのあるソール、ローファーの「ランス」と同様のボリューミーなシルエットは存在感があり、総柄の個性的なパンツにマッチ。その一方で、かつてエルメスが別注したように、クリース入りのスラックスにも合わせられる。

「ミカエル」の詳細をみる

パラブーツの逸品4「アヴォリアーズ(AVORIAZ)」見た目はガチ勢なのに都会のビル街でも違和感なし

登山靴の名手であることを示すのがこの「アヴォリアーズ」。だが同モデルは、「パラブーツ」を運営するリシャール・ポンヴェール社が1922年に誕生させた登山靴ブランド「ガリビエ」が出自となっている。廃盤になった後、2007年にパラブーツから新たに販売されることとなった。

「ガリビエ」時代の同モデルはウィズの広いラストを採用していたが、「パラブーツ」となってからはそれより細身なシャンボードのラストを採用。それにより全体的なフォルムが洗練され、大人が街で履ける登山靴として人気を博すようになった。ソールはジャンヌソールを採用。これも「ガリビエ」時代のパターンを参考にしつつ、街履きを想定して屈曲性を高めている。

アウトドアミックスな着こなしには当然だが、シュッとした細身なシルエットはモードな着こなしの足元にもハマることうけあい。

「アヴォリアーズ」の詳細をみる

パラブーツの逸品5「アヴィニョン(AVIGNON)」ビジネスマンに必要な信頼をこの1足で獲得

同じUチップでありながら、「シャンボード」と比べてドレス感を強めているのが「アヴィニョン」。拝みモカではなく被せモカを採用するとともに、ステッチも細番手とあって、すっきりとした印象に。またラストも「シャンボード」より甲が低く、さらにトゥもシャープになっている点も特徴だ。

カジュアルシューズが主力となる「パラブーツ」の中でも、ビジネスシューズとして認められる同モデル。とはいえ、ノルヴェイジャン製法とあってあくまでもタフ。アッパーのレザーも、オイルを多く含むことで耐水性に優れたリスレザーを採用。履かせたグリフIIソールも、軽量性や衝撃吸収性に優れており、実用的な作りになっている。

その履き心地の良さは、ビジネススーツに合わせれば文字通り下支えの存在に。それでいてノルヴェイジャン製法ならではの力強いコバはおとなしく見え過ぎず、アメリカントラッドな着こなしにも合う。

「アヴィニョン」の詳細をみる

パラブーツの逸品6「クリュサ(CLUSAZ)」陸サーファーならぬ街アルピニストとして登山靴を日常で楽しむ

「パラブーツ」のブランドポリシーの礎を築いたと言っても過言ではない、現ブランドの前身である登山靴ブランド「ガリビエ」時代に誕生した登山靴の系譜を継ぐ「アヴォリアッツ」。こちらは、本格登山靴から街履きに対応する進化を遂げた同モデルを、さらにアップデートした「クリュサ」だ。

一見すると単に短靴仕様にしただけに思えるが、ノルヴェイジャン製法を採用する「アヴォリアッツ」に対して、こちらはグッドイヤー製法を採用。ソールは同様のジャンヌソールを採用しているが、グッドイヤー製法によってコバの張り出しが抑えられ、より街履きにマッチするすっきりとした顔つきに仕上がっている。

アウターがボリューミーになる分、足元にも存在感が欲しくなる冬コーデ。とはいえ、あくまで街履きするなら軽い1足がいい。そんな冬のオシャレでありがちなワガママを叶えてくれる。

「クリュサ」の詳細をみる

パラブーツの逸品7「シメイ(CHIMEY)」いわば「パラブーツ」全部盛り!? イマどきコーデを網羅可能

「パラブーツ」のデッキシューズといえば「バース」が有名だが、こちらの「シメイ」はそんなバースに、Uチップのアヴィニョンとアヴォリアッツの要素をミックスしている。

履き口を一周するイミテーションレースがデッキシューズ感を醸し出しながらも、ソールには「アヴォリアーズ」で採用されるジャンヌソールを採用。厚みのあるラグパターンが、武骨さを与える。一方で、「アヴィニョン」の特徴であるシャープなトゥを披露するUチップが、どこかドレッシーな雰囲気も。フランスらしいエスプリを効かせながら、実用性や耐久性に優れたタフさを両立する「パラブーツ」らしさがまさしく表れたモデルだ。

さすがにスーツには合わせづらいが、ジャケパンにもデニムカジュアルにも、はたまた冬でも夏でもシーズンを問わず履けると言っても過言じゃない。

「シメイ」の詳細をみる

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